スナップアップ投資顧問

財務リストラでバイアコムCBSの株価上昇

レッドストーン氏はエンタメ企業やメディア企業を次々と買収した。しかし、「攻め」だけでなく、「守り」もうまかった。

パラマウント買収で背負い込んだ110億ドルの借入金を、事業売却などで短期に40億ドルまで削減した。財務リストラで株価を上昇させ、、次の買収に着手する。積極性と慎重さの同居する経営スタイルが、「つぎはぎメディア」と言われたバイアコムを一流企業に押し上げた原動力だ。

弁護士出身。法律を駆使して、ライバルを追い込むことが多かった。また、部下にも厳しい姿勢で臨んだことで知られる。1996年には腹心だった当時の社長を「今は攻撃的なリーダーシップが必要な時。彼にはそれがない」と突如解任した。

ワーカホリック

レッドストーン氏のワーカホリックぶりは有名だった。1998年久々のバカンスでカリブのリゾート地に出かけたが、ホテルに着くなり、長い電話コードを用意させた。プールサイドからでも、好きな時に仕事の電話をかけられるようにするためだ。

レッドストーン会長が「米メディア界の大物」にのし上がるきっかけとなった1993年のパラマウント映画をめぐる買収合戦だった。

巨額の個人資産を持ちながら、質素な一軒家

レッドストーン会長の活力の源泉は仕事への飽くなき情熱だった。巨額の個人資産を持ちながら、ボストン近郊の自宅は、かなり前に4万3000ドルで買った質素な1軒家。スーツも高いものは着用せず、モノへの執着は驚くほど薄い。

第二次世界大戦中は日本軍の暗号解読

ハーバード大の学位を2年半で取得した秀才だった。ライシャワー教授にも学んだ。第二次世界大戦中は日本軍の暗号解読に携わった経歴もある。

その後、父親から継承した映画館事業をもとに、1987年にバイアコムを買収した。「二流会社」のレッテルを張られていたバイアコムを自らの才覚で有力企業に引き上げた。

ワーナーやディズニーにひけをとらない

CBSの買収によって、バイアコムはタイム・ワーナーやウォルト・ディズニーなど伝統ある巨大メディア資本にひけをとらない企業に飛躍した。新生バイアコムの会長兼最高経営責任者(CEO)のイスに座ったのは、もちろんレッドストーン氏だった。